中村征夫写真展「海中顔面大博覧会」

フジフイルム スクエア 富士フイルムフォトサロン(赤坂9-7-3 東京ミッドタウン・ウエスト1F)

  • 2024/6/17(月)
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中村征夫写真展「海中顔面大博覧会」

 水中写真の第一人者、中村征夫(なかむらいくお)が捉えた表情豊かな海の生物の写真を中心に、新作100点を紹介する写真展が開催中。

 19歳のとき独学で水中写真に取り組み、1977年、東京湾にはじめて潜り、ヘドロの海で逞しく生きる生物に感動。以来、東京湾定点観測をライフワークとして、海と海に生きるものたちの撮影を続ける中村征夫。報道現場の経験を生かし、さまざまなメディアを通して海の魅力や海をめぐる人々の営みを伝えている。

 会場には、ウニの一種が人の顔のように見える《美白パック中》、スズキ目の一種、オグロトラギスのふてぶてしさが印象的な《記憶にございません》など、思わずクスっと微笑んでしまうような絶妙な表情を捉えた作品が紹介されている。ユーモアあふれるタイトルは自身が考案したものだ。
 撮影について中村氏は、「魚は基本的に無表情で警戒心がとても強いので、まずは目を合わせないようにしてそっと近づき、近くの岩場などにピントを合わせ、警戒心を解いたうえで一瞬の表情を根気よく狙います。同行したガイドが音を上げることもあります」と裏話を語る。
 あまりの可愛さに夢中で追い続けたというハリセンボンの写真のタイトルは《可愛い子には旅をさせよ》。生き物たちへのあふれんばかりの愛情が作品から伝わってくる。

 長年にわたり撮影する中で環境汚染の進行を身をもって感じる機会も多いという。ダイバーなど海を知る人にも知らない人にも、本展が海の素晴らしさを感じ、生物への慈しみの気持ちをもってもらうきっかけになればと語る。

【会期】6月14日(金)〜7月4日(木)※会期中無休、入館無料
【時間】10:00〜19:00(最終日は14:00まで、入館は終了10分前まで)

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