平日は会社員として働き、休日にロケに出かける制作スタイルで、自分が見たい風景を映像として描き起こす山本篤と、サイトスペシフィックな彫刻やインスタレーション、映像を制作し続ける和田昌宏の展覧会が、シュウゴアーツにて開催中。

 二回目の開催となる山本の「映像小屋」は、ギャラリーの一室を映画館のような暗室にし、今年の新作をプログラム仕立てで上映。夕方から夜にかけての時間帯や、車を走らせながら風景を撮影し、時間や空間の変化と、それに対する人々の姿を映し出した6点の作品を観ることができる。
ギャラリーの壁一面に映しだされた映像と立体的に響く音で、山本独自の世界観にぐいぐいと引き込まれていく。

 ゲストアーティストの和田は、ホワイトキューブのギャラリーに異質な光と影をもたらし、展示空間全体を別の次元へと変換する試みを行った。制作前にギャラリーを訪れ、そこで得たインスピレーションをもとに、空間に調和しつつも独自の存在感をもつインスタレーションを作り出した。

 それぞれアプローチの異なる二人だが、長年にわたり互いの制作に協力し合っており、共に目の前に広がる現実から想像的な世界の糸口を見つけ出し、「いまここに存在すること」について語り合うための物語を作り続けている。
それぞれの個性あふれる作品は必見だ。

【会期】8月3日（土）〜9月14日（土）
【休廊日】日月祝
【夏季休廊】8月13日（火）〜8月17日（土）
【時間】11:00〜18:00
【画像】山本篤「映像小屋2」展示風景, シュウゴアーツ, 2024 Copyright the artist, Courtesy of ShugoArts