21_21 DESIGN SIGHT(赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)
現代イタリアを代表する建築家・デザイナーでアーティストのミケーレ・デ・ルッキの個展が開催中。
本展では「六本木六軒」の名の通り、6つの小さな家を展示。これらはデ・ルッキの創作活動の一つである彫刻「ロッジア」シリーズより、全て初公開の作品によって構成されている。
本展実現に向かうプロセスで、デ・ルッキは興味深い偶然を発見した。展示品として6つの住宅の模型を用意したところ、開催地である六本木がかつて存在した6軒の武家屋敷に由来するという説を知り、「6つの家」の意に重なった。その偶然の一致により、「六本木六軒」の名がつけられたのだ。
「ロッジア」とはイタリア語で「涼み廊下」を意味し、デ・ルッキが創作のなかで探求したのは、「間(あわい)の空間」の概念。家の中と自然の開かれた屋外をつなぐ空間であり、内で営まれる生活と外の環境が融合する場だ。
この呼吸する建築、光を通す透明な家「ロッジア」の壁には日本家屋の仕切りである障子とヨーロッパの住居における窓のフレームを思わせる要素が編み込まれており、日本とイタリアの伝統に渡る架け橋といえる。本質的には異なるが、職人の手仕事に対する深い敬意を共有している双方の文化は、互いを融合させることでより完璧なものになると、デ・ルッキは語る。
6点の作品は、木製、ブロンズ製がそれぞれ3点。私たちの文明の基礎となった高貴な二つのマテリアルで作られたことに人類学的な意味がある。また、安藤忠雄氏の設計による、21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3に展示することにより、変化することのない物質・空間である建築に、自然で未処理、無垢の素材が重なりあうことによって補完し、深まるインスタレーションを作りたいと考えたそうだ。
会場では、ドキュメンタリー映画監督であるヴィクトル・コサコフスキー氏が撮影した制作過程の映像作品も展示。合わせて観ることで作品全体が完結する。
【会期】9月20日(金)〜10月14日(月)
【休館日】火曜
【時間】10:00〜19:00 ※入場は閉館の30分前まで ※六本木アートナイト特別開館時間:9月27日(金)、28日(土)10:00 - 22:00
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