Pace ギャラリー(麻布台ヒルズガーデンプラザA 1-2階)
アメリカ人アーティスト、ケネス・ノーランドの個展が開催中。本展は、Pace ソウルならびにPace 東京での二部構成として企画され、今年始めにソウルでオープンした展覧会に続くものとなる。
1960年代から2000年代初頭にかけて制作された、ノーランドの作品の中でも最もよく知られているシリーズを含む、美術館級の貴重な作品群が展開される。
ノーランドは、サム・ギリアム、モーリス・ルイス、アルマ・トーマスらを含むワシントン・カラー・スクールの創設メンバーであり、アメリカにおける戦後の抽象芸術を形成する上で重要な役割を果たした人物でもある。フォルムと色彩に対する実験的なアプローチを通して、絵画というメディアを再定義する数々の先鋭的な作品を生み出した。
アジアでノーランドの作品世界を概括する今回の試みでは、《ストライプ》、《シェイプ》、《プレイド》、《シェヴロン》、《ダイヤモンド》、《フレア》、《ドア》、《ミステリー》、そして《イントゥ・ザ・クール》といった代表的な絵画のシリーズに焦点を当てており、ノーランドの創作活動を体系的に観ることができる絶好のチャンスとなる。
ノーランドは、あらゆるテクニックを駆使して特定の比率で色の帯を描きながら、多種多様な質感の変化を生み出すさまざまな技法を使用した。
会場では、意図的に手の痕跡を消し、同時に絵の具の帯が出会うところで微かな色の混ざり合いが見られるなど、偶然の反応を生み出した作品や、絵具を重ねた跡が残り表面に絶妙な質感が生まれている作品など、表現の多彩さや光を感じるような色の美しさに、観ていて飽きることがない。
国内の美術館でも収蔵されているノーランドの作品だが、これだけまとめて楽しむことができる機会はめったにない。
同ギャラリーの1階で開催されている、サム・ギリアム「The Flow of Color」と併せて、ぜひ観てほしい展覧会だ。
【会期】3月7日(金)〜5月6日(火)
【休廊日】月曜
【開廊時間】11:00〜20:00(19:00〜20:00、日曜の18:00〜20:00はアポイントメント制)
【写真】ケネス・ノーランド「Paintings 1966-2006」展示風景、Kenneth Noland: Paintings 1966-2006、1F; Azabudai Hills Garden Plaza-A 5-8-1 Toranomon, Minato-ku, Tokyo、March 7 − May 6, 2025、Photography courtesy Pace Gallery
記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。