東京ミッドタウン各所

毎年恒例、東京ミッドタウンのデザインの祭典が、今回新たに「TOKYO MIDTOWN DESIGN LIVE 2025」として開催。
今年は「ゆさぶる」をテーマとし、国内外で活躍するクリエイターや新進気鋭の作家、27組の作品が集結する「DESIGN LIVE EXHIBITION」を中心に、クリエイターによる作品展示やワークショップ、トークセッションなど多彩なプログラムを通し、日常を彩る新しいかたちのデザインを体験を楽しめる。
18回目を迎える今年は、「そもそもデザインとは何か?」という根源的な問いに立ち返るところから企画をスタート。社会に役立ち、生活を支え、暮らしを上質にする「デザイン」について深掘りする機会となる。
プレスデーは、グラフィックデザイナーの佐藤卓氏と、デザインジャーナリストの土田貴宏氏とのトークセッションで幕を開けた。
本展でエキシビジョンのキュレーターを担当した土田氏は
「デザインは日常的で身近なものであるというところから、当イベントのディスカッションが始まりました。デザインは私達のまわりにありふれているものですが、その中に面白さを見つけることで、日常を面白くできるという考え方をベースとしています」と、コメント。
クリエイティブディレクターを務める佐藤氏は
「私は長年の仕事を通して、デザインは間を適切につなぐものだと思っています。それに基づいたテーマを考えていたときに、土田さんが『なにかこう、もう少しゆさぶるような…』とおっしゃって、私は『ゆさぶる! それでいきましょう!』と声をあげました。ゆさぶることで、当たり前のものがいかにありがたいものかがわかる。普段気がつかないけれど、ちょっとゆさぶってみると『当たり前のことって意外とよくできているんだな』と気がつくことがあるなど、新たな可能性が見え隠れしてくるのではないかな、と思います」と、語った。
イベントの核をなす「DESIGN LIVE EXHIBITION」では、芝生広場にて3組のアーティストが手がけた作品が展開されている。
店舗などの内装施工時に生じる廃材を椅子やベンチに生まれ変わらせた作品《0% SURPLUS》(クリエイター:AtMa/アトマ)は、大理石やタイルの端材を最低限の金属パーツで連結して、座るための機能をもたらしている。廃棄される運命だった余剰材が実用品として再利用される様を見て、デザインに込められたメッセージを感じたい。
『その土地の藻類から色を抽出し、その土地で使われる家具をつくる』がコンセプトの作品《SO-Colored》(クリエイター:we+/ウィープラス)は、ミッドタウン・ガーデンで採取した微細藻類を培養し、天然由来の樹脂とブレンドして本作のタイルの一部に使用され、家具へと昇華した作品だ。都会の真ん中、ミッドタウン・ガーデンで生まれた色を使った作品で、『色の地産地消』を楽しもう。
また、線を描くように自由なアウトラインで構成された鉄製の家具《drawing chair》(クリエイター:山田 紗子)は、「自分が座っている領域を描けたら豊かな家具になるのでは」と、場の捉え方をゆさぶることを意図し、座面やテーブル、フラワーベースが一体となった作品だ。わずかに振動する感覚や、二人で並んで座った時の不思議な距離感などを楽しむことができ、この日も広場の子どもたちが座って遊ぶ姿がたくさん見られた。
芝生広場に加え、ガレリアB1、1Fでも従来の価値観をゆさぶるようなユニークな作品を観ることができるほか、週末には、さまざまなアーティストによる「カタカナ」をテーマとした、DJ&LIVEステージや、プロの講師による音楽体操&ラジオ体操などのイベントも多数開催される。
【期間】10月10日(金)〜11月5日(水)※芝生広場の展示は雨天中止
【時間】コンテンツにより異なる ※詳細は東京ミッドタウンHPご参照
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