地村洋平「それはまた、次の名前の前にいる」

KOTARO NUKAGA(六本木6-6-9 ピラミデ2F)

  • 2026/6/12(金)
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地村洋平「それはまた、次の名前の前にいる」

 ガラス造形や金属鋳造の技法を用い作品を制作するアーティスト・地村洋平による個展「それはまた、次の名前の前にいる」がKOTARO NUKAGAで開催中。

 今回展示されている「始まりの実験」シリーズは、透明なガラスの内部に錫を封じ込めた代表的な作品群。地村は伝統的な金属鋳造とガラス造形の双方を学び、物質が変容する瞬間に着目した制作を続けてきた。膨張度合いの違う素材がガラスに合わさると本来であれば冷却時に内部応力が生じ、壊れてしまうが地村はその限界を探り、熔融状態のガラスと錫が出会う一瞬を捉える。作品は制作過程の冷やす段階で割れてしまうことが多く、出来上がる確率は五分五分なのだという。

 ガラスは人類が初めて手にした人工物だと言われている。メソポタミアでは紀元前3500年頃にはすでにガラスの痕跡が確認されている。今の文明を知らない遠い未来の人たちがこの作品を見て、どう受け取られるのかはわからない。それを想像しながら作っているのだという。

 ガラスはそれ自体が美しく、素材の力があるので、自分の力が試されると地村は語っている。ガラスは冷やして固めただけでそもそもキレイで美しいものであるが故、それに頼りきりにならないように自分の表現を作っていくにはどうすれば良いのか試行錯誤しているという。ガラスの中で金属を熔かし動かすという唯一無二の試みも、地村だけができる作品表現なのだろう。

 ギャラリーの空間全体を透明なビニールで覆い尽くすインスタレーションは、はるか遠い未来の洞窟を思わせる。異なる素材が響き合いながら、物質が変容していく時間そのものを感じさせる空間となっている。実際に目で見て感じてみてはいかがだろうか。

【会期】6月6日(土)〜7月18日(土)
【休廊日】日・月曜日、祝日
【時間】11:30〜18:00

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