TARO NASU(六本木)

さる2月10日に永眠したアーティスト、渡辺聡の「追悼展」がTARO NASUで開催中。
無数のドット状のシールを整然とキャンバスに貼り、ペインティングの後、そのシールを一枚ずつ剥し、別のキャンバスに移して2点組の作品を作るという独特の制作方法で鑑賞者を驚かせてきた渡辺。ドットを敷き詰めた画面には、世界的に有名な建築や、誰もが馴染みのある風景が描かれてきた。点描画のようなこれらの作品は、筆触が残る点描とちがい、均一なシールのあとがドットとなって抜けているため、画面全体がヴェールに被われたような効果が生まれる。こうして「新しい」風景に出会う鑑賞者は、見慣れたはずのイメージが実はメディアというフィルターを通した風景にすぎず、きわめて曖昧なものであることに気付かされる。
渡辺はその特異な作風を駆使して絵画のアウラをめぐる幻想に問題提起をし続けた。 独自の視点から考え続けた哲学と唯一無二の存在感で 、人々に強いインパクトを与えた。
ご遺族の協力により、彼が最期まで手元に置いていた作品を展示するだけでなく、生前の展覧会評やカタログなどの資料もあわせて展示し、 アーティストとしての軌跡を辿る。
ギャラリーにとっても開業当初からのアーティストで非常に特別な存在だったという。彼の残した作品を通して新鮮な目で「見る」ことの面白さをもう一度体験してほしい。
【会期】6月13日(土)〜6月27日(土)
【休廊日】日・月曜日、祝日※6月19日(金)は、16:30閉廊
【時間】11:00〜19:00
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