抽象絵画の先駆者として注目されるスウェーデン出身の画家、ヒルマ・アフ・クリント。ワシリー・カンディンスキーやピート・モンドリアンらと並び、抽象絵画を創案した先駆的な存在として再評価されている。1,000点を超える作品群は長らく限定的に紹介されてきたが、21世紀に入ってその重要性が世界的に認識されるようになった。2018年にグッゲンハイム美術館で開催された回顧展は、同館史上最多となる60万人以上の動員を記録している。本展では、「10の最大物」など初来日となる約140点を展示し、代表作「神殿のための絵画」や制作に影響を与えた同時代の神秘主義思想や女性運動なども紹介する。 時間:10:00〜17:00(金・土曜日は20:00まで)※入館は閉館30分前まで/休館日:月曜日(ただし3月31日、5月5日は開館)、5月7日/料金:一般2,300円、大学生1,200円、高校生700円/問合せ:050-5541-8600 [画像]ヒルマ・アフ・クリント 《10の最大物,グループIV,No. 7,成人期》 1907年 ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of The Hilma af Klint Foundation >>ヒルマ・アフ・クリント展
サム・ギリアムの個展がPace ギャラリーで開催される。ギリアムは戦後アメリカ絵画の革新者として知られ、キャンバスを吊るす技法で絵画と空間の関係を再定義した。2018年のドレープ作品では、染み込みや折り畳みなどの技法を駆使し、色彩と形状が融合した空間全体を彩る表現が特徴である。 また和紙を用いた水彩画では、紙そのものが色彩と化し、立体的な存在感を持っている。本展では、2018年から2022年に制作された水彩画とドレープ・ペインティングを展示し、晩年の創作活動に焦点を当てる。 時間:11:00〜20:00(19:00〜20:00、日曜の18:00〜20:00はアポイントメント制)/休廊日:月曜日/料金:無料/問合せ:03-6681-9400 >>Sam Gilliam The Flow of Color
ケネス・ノーランド「Paintings 1966-2006」
2025/3/7(Fri) - 5/6(Tue)
場所:Pace ギャラリー(麻布台ヒルズガーデンプラザA 1-2F)
アメリカ人アーティスト、ケネス・ノーランドの個展がPace ギャラリー開催。本展はPaceソウルとPace東京の二部構成として企画され、ソウルでの展覧会に続く展示となっている。サム・ギリアムやモーリス・ルイス、アルマ・トーマスらとともにワシントン・カラー・スクールを創設したメンバーであり、アメリカ戦後の抽象芸術を語る上で欠かせない存在であるノーランド。本展では、ノーランドが1960年代から2000年代初頭にかけて制作した作品の中でも、特に知られるシリーズを含む美術館級の貴重な作品群が一堂に会する。フォルムと色彩に対する革新的な探求を通じて、絵画というメディアの可能性を再定義し続けたノーランドの先鋭的な作品を紹介する。 時間:11:00〜20:00(19:00〜20:00、日曜の18:00〜20:00はアポイントメント制)/休廊日:月曜日/料金:無料/問合せ:03-6681-9400 >>Sam Gilliam The Flow of Color
1970年代にタイで生まれた作家、プラチャヤ・ピントン。ピントンの作品は、タイの稲作農家の希望や移民労働者の姿など、"タイ的"なシンボルを避けつつ、地域の物語や素材を扱う点で独自性を持っている。ラオスでの長期的な対話や、爆撃による廃金属を再利用する現地の創意工夫に着想を得たピントンの制作活動は、冷戦の遺物を癒し、新たな価値を生み出す錬金術的な過程として喩えられる。日本では初開催の個展となる本展では、ピントンが日本の軽工業に興味を抱き制作した作品を紹介する。 時間:12:00〜18:00/休廊日:日月火水祝/料金:無料/問合せ:03-6447-4817 >>プラチャヤ・ピントン「The Heat of the Empty Forward」